特集 倫理的感受性を高める—ACPにも必要な「価値観を揺さぶられる」感性
地域の多職種で倫理検討会をしています—「モヤモヤ」を語り合えるチームの強さ
田中 美樹
1
,
清水 奈穂美
2
1ステーションイルカ
2滋賀医科大学医学部看護学科
pp.32-36
発行日 2021年1月15日
Published Date 2021/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201603
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「協働する仕組み」として始めた研修
ステーションイルカは、営利法人の訪問看護ステーションとして2002年、京都市に開業しました。住み慣れた自宅で療養を続けたいと願う方々に寄り添い、「ひとりひとりの想いを大切に、その人にとって生きがいのある生活を支援する」ことを理念に、訪問看護活動に取り組んでいます。
自宅での療養を継続し、最期まで自宅で過ごしてもらうためには、多職種の協力は必須です。特に独居高齢者の終末期では、本人が意向を表明しにくくなったとしても「その人の意思決定を大切にしていく」には、いくつもの課題にぶつかることがあります。その課題を解決するには、地域の医療・介護・福祉職がよりよい形で協働し、それぞれの専門性を発揮できるような「仕組みづくり」が重要だと考え、組織の枠を超えて多職種が共に学ぶ機会(研修)をつくりました。これをきっかけとして日常的に連携が図られ、地域の力が拡大することを目指したものです。
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