特集 倫理的感受性を高める—ACPにも必要な「価値観を揺さぶられる」感性
漫画『家でのこと』から引き出される倫理観—訪問看護初学者への「教材」として使ってみました
清水 奈穂美
1
1滋賀医科大学医学部看護学科
pp.28-31
発行日 2021年1月15日
Published Date 2021/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201602
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訪問現場は倫理的課題にあふれている
訪問看護の現場で働いていると「本当にこれでいいのかな」と思うことや、「(自分の中で)あり得ない!」と思うような出来事を経験することがあります。家の中に「トイレがない」「お風呂がない」ことを知ったときには、今どきそんな家があるんだと驚いたり、足の踏み場がないくらいにゴミが散乱している部屋に足を一歩踏み入れたら靴下にじんわりと染み込むもの(尿失禁)があったりと、「うそでしょう!?」と思うようなことが、私にもたくさんありました。
在宅には、多くの人にとって「これまでに体験したことがない現場」があります。当然、訪問看護を始めたばかりの頃は戸惑うことも多いでしょう。
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