特集 特定行為研修修了者がいる在宅現場が見たい—「行為の実施」にとどまらない看護の意義に迫る
—【現場からの声❷】—特別養護老人ホームからの入院・受診の負担が減りました
大嶋 玲子
1
,
藤田 陽子
1
1社会福祉法人久仁会特別養護老人ホームくやはら
pp.822-825
発行日 2019年11月15日
Published Date 2019/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201305
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特別養護老人ホームでの看護師の役割
超高齢社会を迎えたわが国にとって、「高齢者が安心して過ごせる住まい」として介護施設が担う役割は重要である。これらの施設で生活する高齢者の多くは何らかの医療的ニーズを有しており、そのうえで、安心で安全な暮らしを求めている。介護施設は病院のように治療を提供する場所ではなく、あくまで生活の場である。今回、特別養護老人ホームで働く特定行為研修修了者として、その人らしい穏やかな生活を送るための日々の支援を紹介したい。
当施設「くやはら」(82床)は特別養護老人ホーム(特養)で、入所対象となるのは65歳以上、要介護度3以上の人である。実際には表❶のように、高齢で複雑な健康状態の方が多く入居している。特養は医師が常駐しない施設なので、私たち看護師は介護職員らと協力し、主たる疾患や既往歴から治療の必要な状態かを見極めたり、新たな疾病の予防や健康の維持、安楽に生活するための医療とケアを提供することを心がけている。
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