資料
老人医療と特別養護老人ホーム
黒沢 和夫
1
1藤女子大学
pp.507-510
発行日 1976年7月15日
Published Date 1976/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205226
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
わが国における老人人口の増加に伴い,国民死因にしめる老人病の比率が高まり,疾病に悩まされる老人が増加した.さらに,心身の機能障害のある老人が増し,厚生省調査によると,現在全国に35万人以上の寝たきり老人がいると推測されている.昭和48年の厚生省国民健康調査では,わが国の65歳以上の老人の有病率は約35%に達し,これに対し受療率の方は約15%にすぎない.同じ昭和48年の老人健康診査の結果では,65歳以上の老人の41.8%が要療養となっており,極めて高率である.
特別養護老人ホーム(以下,特養ホームと略記)は,精神身体的に欠陥があって,常時介護を要し,かつ居宅においてこれを受けることがむつかしい老人を収容する目的をもって,昭和36年から開設され,現在に至っている.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.