研究と報告
特別養護老人ホームにおける医療の現状
高柳 智子
1
1富山医科薬科大学大学院医学系研究科看護学
pp.694-697
発行日 1999年7月1日
Published Date 1999/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905892
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はじめに
新ゴールドプランにより1999(平成11)年度末までに29万人分を目標とした特別養護老人ホーム(以下,特養とする)は,着実に整備が進んでいると報告されている1).特養は,常時介護を必要とし在宅生活が困難な老人を対象とした福祉施設である.したがって老人保健施設,療養型病床群とは対象・機能が異なるとされているが,実際の入所者は両者においてほとんど変わらないことが指摘されている2).
特養の入所者の55.7%がいわゆる「寝たきり」の状態にあり1),一度体調を崩すと次々と合併症を起こしたり,日常から医療的なケアが必要となることも多い.本来生活の場であり,家庭機能を担うものとされている特養では,医療や看護といった側面の職員配置基準は低く抑えられている.そのため医療レベルが施設によりさまざまであることが報告されている3)しかしこれまで,医療機器の整備状況も含めた特養における医療の現状について具体的側面にまで言及した研究は見当らない.
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