特集 グリーフケアを考える—終末期のケアから、地域への働きかけまで
【訪問看護師が行なうグリーフケア】
「生や死を自分ごととして考える」機会を創出する
岩本 ゆり
1
1楽患ナース株式会社訪問看護ステーション
pp.36-39
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200613
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楽患ナース訪問看護ステーションは、緩和ケアを中心とした在宅看護を実践するステーションとして2010年、東京都足立区に開所しました。この足立区は、23区内でも珍しく大学病院がない区でありながら、大学病院の密集地である文京区などへのアクセスが良い地域です。そのため有名病院に体力が続くぎりぎりまで治療に通い続け、ADLが低下していよいよ動けなくなると、近隣の中小規模の病院へ入院する……という住民の方が多い特徴があります。
所長の私は緩和ケア病棟での勤務経験があり、在宅看取りを希望する方には在宅緩和ケアの提供者になりたいという思いが当初からありました。今年で開所から7年目になりますが、これまで160件以上の在宅看取りに関わらせていただきました。早期からの緩和ケアにも関わりたいという思いも強く、近隣の大病院と連携して、がんの治療が終盤に差し掛かった患者さんへの訪問看護を積極的に行なうことで、療養場所の決定や治療の継続の意思決定支援に関わることを大切に活動しています。
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