特集 グリーフケアを考える—終末期のケアから、地域への働きかけまで
地域に根差した看護職が行なうグリーフケア—「死別を考える」思いやりのあるまちづくりをめざして
小野 若菜子
1
1聖路加国際大学看護学部
pp.14-19
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200609
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突然だが、地域に根差した看護職というとどんな人を考えるだろうか? 訪問看護師や保健師は、地図を広げ、日々、家庭を訪問し、ケアを提供し、地域や近隣の最新情報を得ているかもしれない。診療所の看護師は、近隣に住む人々の病気や困りごとに向き合っている。また、地域包括支援センターや高齢者施設の看護職もいるだろうし、そこでケアマネジャーとして働く方もいるだろう。そうした看護職もまた、高齢者を中心に近隣に住む方々の顔が浮かぶのではなかろうか。地域を知る、地域に根差した看護職は、それぞれの場で、それぞれの立場で、地域の人々を見守る役割を果たすといえる。
住民と日々の暮らしから関わり、関係性を築いていく看護職こそ、「グリーフケア」のよき提供者となるだろうと考えられる。本稿はその前提に立ち、グリーフケアとは何かを整理し、地域に根差した看護職がどのようなグリーフケアを実践できるか、さらにそれを充実させていくためにどう関わり得るのか展望したい。
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