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特集 「日本老年看護学会第25回学術集会」
特別講演
超高齢社会における死別とグリーフケア
Bereavement and Grief Support in a Super-aged Society
坂口 幸弘
1
Yukihiro Sakaguchi
1
1関西学院大学人間福祉学部
1School of Human Welfare Studies, Kwansei Gakuin University
pp.16-20
発行日 2021年1月31日
Published Date 2021/1/31
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Ⅰ.はじめに
超高齢社会に突入した現代の日本社会は,多くの人が死を迎える「多死社会」でもある.厚生労働省の人口動態統計によると,年間死亡者数は2003年に100万人を超え,2019年は前年より1万8,000人余り多い138万1,098人と戦後最多を更新した.2015年の国勢調査の結果を基に国立社会保障・人口問題研究所が算出した日本の将来推計人口によると,2024年には年間死亡者数は150万人を超え,2039年および2040年に167万9,000人でピークを迎えると予測されている.こうした「多死社会」においては,亡き人の傍らで,その死を嘆き悲しむ人たちも多く存在することになる.多死社会は,「多死別社会」であるともいえる.いつ,どのような形で,大切な人に死が訪れるかはわからない.死別は決して特殊な出来事ではなく,だれもが当事者になりうる体験である.
本稿では,超高齢社会における死別の諸相についてまとめるとともに,グリーフケアの必要性や看護師に期待されるケアのあり方について論じる.
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