特集 ケアリングコミュニティと地域リハビリテーション
実践紹介
仲間づくりをベースにした失語症のある人の地域支援—地域に根差して,そして地域を越えて
佐藤 誠一
1
1デイサービス言葉のかけ橋
pp.325-327
発行日 2020年11月15日
Published Date 2020/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003201240
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はじめに
私は現在,岩手県盛岡市で失語症のある人に特化したデイサービス(以下,失語症デイ)を運営しています。今まで30年以上失語症のある人とかかわりながら日々思うことは,突然言葉を奪われ,周囲の人とのコミュニケーションを絶たれてしまった人たちの苦悩です。失語症のある人は日常の何気ない会話にも難渋し,仕事やそれまでの役割を失い,突然孤独な世界に追い込まれてしまいます。そして障害が目に見えないためその困難や辛さは周囲の人からなかなか理解されません。
しかし共通の体験や思いをもつ仲間との出会いをきっかけに,多くの人たちがもう一度その人らしく生きる力を取り戻しています。本稿では私たちのこれまでの活動を紹介しながら,失語症のある人に地域でどのような支えが必要なのかについて考えたいと思います。
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