特集 災害看護教育に生きたシミュレーションを─震災に焦点をあてて
被災体験シミュレーション―地域に根差した防災の担い手「防'z」の取り組み
上田 真仁
1
,
梅田 見名子
1
1静岡県立大学看護学部
pp.186-192
発行日 2012年3月25日
Published Date 2012/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102017
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はじめに
昨年の3月11日に発生した東日本大震災では,強度の地震とともに津波災害など,今までの自然災害への備えが根底から覆されるものとなった。静岡県では東海地震の予測と災害規模の想定が発表されてから30年以上が経過し,内閣府においても東海地震対策大綱が策定されている。
地震災害とともに大規模な水害による被害を静岡県内の各自治体で体験した経緯から,自然災害に対する理解,それに基づく防災・減災能力の育成ならびに支援を図るために,子どもから大人まで防災教育に対する期待が大きなものとなっている。静岡県下では小学校,中学校,高校と,小児から青年期に至る過程でさまざまな防災教育が自治体ごとに展開されている。
静岡県では,12月の第一週目の日曜日を「地域防災の日」と定め,県下一斉に自然災害に備えて自治体ごとにその土地に応じた防災対策や訓練に取り組んでおり,各世代の住民が参加して防災訓練を実施している。また,その際に避難所の設営や運営についても訓練を行い,自治会の役員を中心に検討が行われている。
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