特集 在宅で「肺炎」を予防・改善・治療する!―「それでも食べたい」との両立も
―【対策❺経管栄養】―「逆流」させない投与方法と半固形状流動食―逆流性誤嚥性肺炎を防止する
吉村 由梨
1
1刀圭会協立病院栄養科
pp.387-392
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102790
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
当院は、北海道帯広市にある十勝地区初のリハビリテーション病院(一般病棟・回復期リハ病棟各60床、計120床)です。刀圭会グループは「在宅生活を支援すべく、保健・医療・福祉・介護の一本化に寄与すること」を理念に、病院を中心として介護老人保健施設・介護老人福祉施設を併設するとともに、訪問看護や訪問介護、居宅介護支援などの在宅関連部門を強化し、地域住民のみなさまに安心した暮らしを提供できるよう取り組んできました。
私は、当院に勤めて8年目に入ります。管理栄養士としての主な仕事は、入院患者の栄養管理と、外来患者への栄養指導です。入院患者の約1割は経管栄養管理を行なっており、新たに胃ろう造設を行なう方も月1~2名ほどいます。在宅や他施設で誤嚥性肺炎を繰り返したことから、当院にて胃ろう造設に至った方も少なくありません。退院前には、ご家族や訪問看護師・介護職らとカンファレンスを行ない、在宅での経管栄養管理の注意点を確認します。在宅に退院された患者さんが元気に外来通院している姿を見ると、安堵感でいっぱいになります。しかし、なかには、嚥下障害と誤嚥性肺炎のリスクを背景に、せっかく胃ろうを造設したのに、経管栄養剤の逆流性誤嚥のために肺炎を発症し再入院される方も少なからずいます。そこで本稿では、経管栄養管理における誤嚥性肺炎の予防について述べたいと思います。
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.