2頁の知識
流動食
柳 金太郞
1
1東京醫科歯科大學内科
pp.22-23
発行日 1953年4月15日
Published Date 1953/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907276
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流動食とは液状をした食餌と言う意味であるが,必ずしも液状をなすものばかりとは限らない。例えば卵黄とかクリームとかジエリーの如くに常温で軟かい固形態となつて居ても,それを口に入れて潰した場合に容易に分散したり,溶解したりして目星しい固形物を殘さないような性質の食物であれば,廣い意味での流動食として扱えるのである。
流動食の特長は咀嚼に骨が折れず,從つて胃腸内でも消化され易く且つ吸收され易いことが第一の目的であり,傷いた胃の内面や腸の粘膜に對して機械的の障碍を與えないと言う性質が第二の目的である。
然し流動食はその性状からも容易に理解されるように,概して水分含有量が高くて,栄養價としては低いのが一般の傾向であるから,水分の補給には好適であるが,熱量や蛋白質,脂肪の如き重要成分を補給するには不適當な食餌形態であることが大なる缺陥である。
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