特集 在宅で「肺炎」を予防・改善・治療する!―「それでも食べたい」との両立も
―【対策❹経口摂取】―誤嚥性肺炎を繰り返していても「それでも食べたい」を叶えるには―早期経口摂取再開からの食事介助と摂食・嚥下リハ
小山 珠美
1,2
1社会医療法人三思会法人本部摂食嚥下サポート
2NPO法人口から食べる幸せを守る会
pp.379-386
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102789
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口から食べることに困難を抱えていても、人生を閉じようとしている最期まで、おいしく幸せな気持ちで「食べ続けたい」「食べさせてあげたい」と、ご本人やご家族は切実に願っています。その願いを実現すべく包括的支援を注ぐことは、超高齢社会に生きる私たち専門職の責務であり、未来への継承となります。病院・介護施設・在宅、どこで生活していても、人間としてごく当たり前の「口からおいしく食べ続けたい」という願いを実現できる社会への変革が求められています。
高齢者肺炎の大半は「誤嚥性肺炎」であると言われます。そのため、肺炎を発症した場合には、まず経口摂取が禁じられることが少なくありません。このなかには、リスク管理と称した過度な絶飲食と言うべきものも多く含まれます。こうした状況に対して筆者は、急性期病院での摂食嚥下専従看護師として、絶飲食の期間を最小限にして早期離床を図り、口から食べることで健康回復を促すべく、早期からの食支援に多職種チームで取り組んできました。また、院内にとどまらず、地域と連携しての継続的かつ包括的な食支援にも取り組み、外来での対応はもちろん、在宅・介護施設・他院からの依頼を受け2週間ほどの短期集中入院による経口摂取再獲得のアプローチなども行なってきました。訪問看護師やケアマネジャーからの依頼による同行訪問も、まだ少数ながら始めています。本稿では、その立場から、誤嚥性肺炎のリスクのある高齢者の経口摂取継続をいかに支援していけるかを考えます。
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