特集 在宅だからICF(国際生活機能分類)!―「生活を支える」を具現化する
―【補論(アドバンス編)】―「生きることの全体」を捉える「統合モデル」とは何か―ICFを誤用しないために
川島 孝一郎
1
1仙台往診クリニック
pp.140-145
発行日 2014年2月15日
Published Date 2014/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102721
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ICF(国際生活機能分類)は、単なる「分類」ではない。単なる「アセスメント(客観的評価)」ツールでもない。私たちは何かを分類したり、評価しようとするとき、あたかも自分自身は第三者であるかのように「対象化」して考える。しかし、「統合モデル」(p.109)であるところのICFは、客観的に観察しているつもりである私たち自身も、その人の「生きることの全体像」(p.107)のなかに含まれ相互作用するものとして捉えるのである。
ICFの理念は、在宅医療・介護において、1人の人の生活・人生を支えていくうえで有用である。しかし、ICFを単なる分類やアセスメントツールとして用いるならば、その本来の意義を損ないかねない。医学モデル(p.109)に立ってものを考えることが常となっている私たち専門職がICFを真に活用するためには、まず私たち自身の「ものの見方」について自覚しておかなくてはならないのである。本稿では、ICFを誤用しないために、「統合モデル」そして「生きることの全体像」への理解を深めることを試みたい。
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