Japanese
English
特集 誤用症候群とその対応
誤用の概念
Concept of Misuse.
蜂須賀 研二
1
,
堂園 浩一朗
1
,
緒方 甫
1
Kenji Hachisuka
1
,
Koichiro Dozono
1
,
Hajime Ogata
1
1産業医科大学リハビリテーション医学教室
1Department of Rehabilitation Medicine, University of Occupational and Environmental Health
キーワード:
誤用
,
廃用
,
過用
Keyword:
誤用
,
廃用
,
過用
pp.365-368
発行日 1994年5月10日
Published Date 1994/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107605
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はじめに
リハビリテーション医学において,最も基本的で重要な二次障害は「廃用,過用,誤用」である1).リハビリテーション対象患者に「廃用,過用,誤用」が生じると.患者が本来持っていた病態が一層複雑になり障害も加重され,リハビリテーション治療に難渋する原因となる.
廃用disuseは身体的活動性の減少によって引き起こされる病的状態の総称であり,筋萎縮,骨萎縮,運動能力低下をはじめとして種々の症状を呈する2)(表).過用overuseは過度の身体活動により引き起こされる病的状態の総称であり3),臨床的にはポリオ後症候群3,4)や筋ジストロフィー,多発性筋炎5)の筋力低下が問題となる.誤用misuseは誤った身体活動や道具の使用により生じる病的状態の総称である1).
これらの「廃用,過用,誤用」の中で,廃用と過用に関する報告は多いが,誤用は比較的取り上げられることが少なかった.その理由として,誤用に遭遇する頻度が少ないことのほかに,概念が不明確であり位置づけが確立していなかったことが考えられる.そこで,「廃用,過用,誤用」の3者を対比させながら,誤用の概念を整理することにした.
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