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次号予告・編集後記
杉本
,
青木
pp.274
発行日 2012年3月15日
Published Date 2012/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102157
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長年の友人の子がダウン症とわかりました。でも、お正月を過ごしたこの実家は、意外なほどにぎやかで、笑顔で満ち満ちていました。おじいちゃんもおばあちゃんも、友人夫婦も姉夫婦も、まだ幼い兄弟も従姉妹たちも、居間に陣取ったこの子に代わる代わる話しかけたり、ちょっかいをかけたり。何しろ、この子が本当によく笑うのです。とても小さな手足をちょこちょこ動かして、あまりに無垢に、何の心配もなさそうに。どうしようもなくかわいくて、ジンワリ温かいものが込み上げました。数か月~数年はやく生まれたにすぎない子どもたちも、当たり前にこの子を世話しようとしています。わが友も、驚くほど頼もしい母親になっていました。私の宝物です。彼らが笑えなくなる日が絶対来ないように守りたいと思いました。…杉本
遊びをせんとや生まれけむ――12世紀の流行歌の一節が、NHK大河ドラマの冒頭で流れるのを毎週聴いています。人は誰も「遊び」で学び、育つ。幼少期、私は市役所から障害者手帳を交付されてバス乗り放題の身分だったのですが、療育学級に通うのが億劫な際には、施設の珍しいおもちゃで遊べたり、遠足に連れ出してもらえた楽しみが励みになったことを覚えています。幼い日だけでなく、死を迎えるその時まで、ずっと人は遊ぶことで生きるのだと思うようになりました。◎正月には、東大寺でその隣接する療育病院の児童、ご家族と引率スタッフの皆様の参詣に遭遇しました。本号特集のことを考えながら歩いていたときだけに、2012年の変化の“時運”に導かれた思いで、この後記も書いています。…青木
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