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次号予告・編集後記
杉本
,
青木
pp.1060
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102076
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認知症こそ在宅・地域で、と特集タイトルで言い切るのには、長らく迷いがありました。認知症のご家族がある友人から、どうしようもなく殴った縛った自分が病気になったと聞くにつけ、それはとても非現実的で、余計に苦しめることになるのでは?と躊躇われたからです。こうなると、“わが家”は「安心できる場所」ではなくなってしまいます。でも今回、専門職をはじめご家族やご本人の立場からも論考をいただき、その実践に触れるにつれ、可能性の広がりを感じることができました。また、いかに認知症を知っているつもりで知らなかったか痛感。無知や偏見を減らし、いかに手厚くケアしても、悲しみやとまどい、生活上の苦労がある認知症ですが、それでもどこかに「安心」を感じられることが第一歩と、みなさんの言葉に教えられました。…杉本
村松静子さんが福島に開設されたセカンドハウス「よりどころ“ここさこらんしょ”」は、“あなたの別宅”と謳われています。福島弁で「ここに寄っておいでよ」という誘い文句が命名の由来。元々旅行好きで、東北各地を周遊されてきた村松さんですから、「岩手や宮城でなら、それぞれのお国言葉で名づけました。私は被災地のいずれも好きで歩いてきたから、どこにでも作りたくて」。セカンドハウス自体、震災前から抱かれてきた「必要なときに自由に利用でき、いつでも自宅に戻れる」一軒家構想です。読者の皆さんに、またそれぞれのご当地のイメージで共有され得る“地域包括システム”のかたちかもしれません。「今月の5冊」欄で紹介した『ナース発東日本大震災レポート』で、詳しい開設秘話も読めます。…青木
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