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次号予告・編集後記
杉本
,
青木
pp.532
発行日 2011年6月15日
Published Date 2011/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101919
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被災地からの声は、在宅療養中のALS患者さんのご家族から。地域のケア専門職に支えられて、大きな不安のなかでも希望を語る内容に、私のほうが励まされてしまいました。災害時には、地域の医療と福祉がまさに命綱。秋山さんの連載でも触れられています。特集は、被災地での口腔ケア支援の合間に執筆いただいたものも少なくありません。飲み水にも事欠き、うがいや歯みがきは後回しにされがちな避難生活の結果に起こっていることは、いかに口腔ケアが重要なのかを物語っています。巻頭インタビューは映画「看護覚え書」監督。クリミア戦争でのナイチンゲールの体験に似た状況が被災地にある今、看護の原点の意義深さを感じました。…杉本
“病人の食事を決めるのは、化学(机上の学問)じゃなく看護者の観察でなくては(Observation, not chemistry, must decide sick diet)”とは、『看護覚え書』第7章の言葉。ナイチンゲールは本書13章構成のうち中盤2章を「食事」の記載に割いています。歯が弱った患者のためにゼリーやスープといった流動食にも細かな気遣いを示した彼女。世界的なセレブでありながら、ひきこもり在宅生活を選んだ人でした。自虐的で他罰的で、落ち込んでは傷つき、逃げてはやっとまた回復して目覚しい業績を残し続けたその人生は、知れば知るほど現代人として親しみぶかい、愛すべきやっかいさに満ちています。まんが『ナイチンゲール伝』は、月刊『看護教育』で7月号から連載開始します。…青木
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