連載 100歳までの道のり・6【最終回】
その後の生活
城 美奈子
1
1北海道医療大学認定看護師研修センター/皮膚・排泄ケア分野
pp.238-241
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101287
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ノロウイルス感染を疑って入院
2008年が明け,誕生日には97歳になります。1月,施設管理者から「熱が38℃で肩呼吸をしており,移動も苦しそうで,食後吐いて下痢もみられたので救急車で受診したところ,即検査入院になりました」と連絡がありました。
2日後に病院へ行くと,病室は母1人で,高機能褥瘡予防マットに寝ていました。声をかけるとうつろな目で娘が認知できないようでしたが,声をかけ続けると徐々に反応がみられ,意識もよくなって会話が成立してきました。すると「おしっこしたい」と訴えます。そこで車椅子を用意し,ほぼ全介助で排泄介助をしました。でも排泄介助は2回で断念しました。なぜなら,私が帰った後,尿意で動きだし,ベッドから転落する危険があるからです。「母さん,病院にいる間はオムツにおしっこをしよう。すぐ退院になると思うから,それまでは寝たままおしっこしていいからね」と何度も話しました。母は了解しましたが“すぐ退院になる”という言葉にとらわれだし,「グループホームに帰るんだよ」と言っても,「家はもうないし,どこに行ったらいいんだ?」と心配するばかりでした。
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