連載 ヒト・モノ・バをつなぐ認知症ケア―今日のデザインの役割・9
徘徊の対処と必要な情報・1
山崎 正人
1
1東海大学教養学部芸術学科デザイン学課程
pp.234-237
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101285
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徘徊の出現について
●見えるコト・見えないコトをつなぎ合わせる
我が家の認知症中度のケアは「徘徊」の対処が中心でした。原因が特定できないものもありましたが,注意深く観察することや問いかけにより多くの原因が特定できました。このように周辺症状の対処はそれらが発生する状況を精査して原因を探ることが基本となります。なかでも徘徊は,「目の前で見える(確認できる)コト」と「見えない(心の内)コト」をつなぎ合わせ原因を探らなければなりません。
しかしながら実母の行動を目の前にして冷静に観察することは大変難しいものでした。本稿では,「徘徊」を主題として縦断研究で作成した「環境配慮の支援年表」(本誌13巻7号p.593-595)から「徘徊」に関連する情報を抽出し,今号で「徘徊の出現とその背景」,次号で「徘徊の対処法」について紹介します。
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