焦点1 痴呆ケアですすむ「ユニットケア」への転換
―徘徊ストップ心リンリン―ユニットケアがやってきた
坂本 宗久
1
1生活介護研究所
pp.63-66
発行日 2002年5月15日
Published Date 2002/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900479
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施設の廊下を不安げな表情で何かを探して歩くお年寄りを見たことがあるだろうか。懐に人形をしっかり抱え,眉間に皺を寄せ,ぶつぶっとつぶやきながら自分の世界に入っていく。呆けの進行は早く,数か月後には奇声を発し,連続運動をし,そして植物人間化し免疫力が低下し死んでいく。
何人の悲しい数年間を見送っただろうか。それがまるで人の最後のプロセスであるように,もっと言うなら無感情に無責任に受け止めることが専門性であるように考えてしまう,そんな私がいた。
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