特別記事(全3回連載)
在宅末期がん患者に対する医療行為―2.疼痛緩和に関する事前約束指示
川越 厚
1
1ホームケアクリニック川越
pp.128-131
発行日 2008年2月15日
Published Date 2008/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101007
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緊急対応が必要な末期がん患者の疼痛
末期がん患者を苦しめる症状は多種存在するが,そのなかで痛みは高頻度に発生し,しかも患者に多大な苦痛を与えるので,医療者は可能な限り迅速かつ確実に痛みを緩和しなければならない。しかし医師が常在しない在宅では,必要な医療(この場合は疼痛緩和)を常時(たとえば夜中など)すみやかに提供することが難しい。結果的に,疼痛によって患者を長時間にわたって苦しめることになる。
このような不都合を解消するにあたって,訪問看護師の働きが重要な鍵を握っている。すなわち,いかに看護師のもつ力を有効に引き出すかということである。そのためには看護師が医師との密接な連携を取りつつ,自己の裁量で,指示された範囲内の疼痛緩和を迅速に行なうことができるような,制度上の仕組みを検討する必要がある。
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