特別記事(全3回連載)
在宅末期がん患者に対する医療行為―1.医師と看護師の連携と,指示のありかた
川越 厚
1
1ホームケアクリニック川越
pp.46-49
発行日 2008年1月15日
Published Date 2008/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100986
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はじめに
在宅療養者のQOL(Quality of Life)を向上するためには,日常生活面と医療面との患者支援を十分に行なわなければならない。そのため在宅医療に携わるものは,医療の質と量の向上を図る必要がある。より質が高く,かつ効率的な医療サービスを提供するためには,医師と訪問看護師との連携が重要な意味をもっており,訪問看護師が医師との密接な連携のもとに,主体的に働けるような環境作りが,いま求められている。
末期がん患者の在宅医療では,必要な医療行為(医行為,と略す)の緊急性,重要性などが大きな要素となる。在宅末期がん患者の数が今後急増することを考えるならば,医師と看護師の連携のあり方を見直し,時代のニーズにあった新しい連携の形を求める必要がある。
そして,新しい連携のあり方を探る作業は,現状分析からはじめ,その結果に拠るべきであると考える。しかし,医師からの指示がどのような形で医行為として実行に移されているかの実態調査は少なく,かつ法律的な規定を考慮しつつ,その実態を分析した報告となるとほとんどないのが現状である。
現状を踏まえた分析をもとに,末期がん患者の在宅医療に関して,医師・訪問看護師の連携のありかたをこれから3回にわたって解説したい。
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