実践報告
病院退院後に義足作成に挑戦し,歩行を再獲得した一症例―全人的な側面からの考察
倉野 力
1
,
大西 敦志
1
1訪問看護リハビリステーション手のひら
pp.132-134
発行日 2008年2月15日
Published Date 2008/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101008
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はじめに
リハビリテーション(以下,リハビリ)とは,何らかの原因でさまざまな障害をもった人々に対し,障害を可能な限り回復させると同時に,残存能力を最大限に高めることで,身体的・精神的・社会的に可能な限り自立した生活が送れるよう援助することである。なかでも訪問看護ステーションからの訪問看護や訪問リハビリは急性期・回復期治療を経過した後,在宅生活に戻ってから開始されることが多く,維持的な印象が強いであろう。
本ケースは,不活動状態のまま約1年が経過した後,糖尿病性壊死により左下腿を切断した。しかし,糖尿病性神経障害と著明な運動機能の低下により入院中の義足作成が見送られ,歩行訓練へのアプローチを行なわずに退院した。その後,在宅で訪問看護ステーションからの看護師と理学療法士の訪問により,身体面のみならず本人の意思を支えた援助を行なった結果,義足作成を経て歩行能力の再獲得を果たした。経過を全人的な側面から考察したので,ここに報告する。
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