特別記事
自宅で最期を迎えたい―在宅ホスピス緩和ケアでひとり暮らしの18名のがん患者を看取って
伊藤 美緒子
1
,
小林 友美
1
,
大金 ひろみ
1
,
矢元 美智子
2
1訪問看護パリアン
2前訪問看護パリアン
pp.660-672
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100890
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
はじめに
核家族化の進行,人口の高齢化にともなう高齢者世帯や単独世帯の増加により,ひとり暮らしの末期がん患者も増えてきた。そして,2000年4月に導入された介護保険制度は,ひとり暮らしのがん患者が最期まで自宅で過ごすことを可能にさせるようになったとも言われる。
国外では,ひとり暮らしの末期がん患者の在宅死に関連する研究結果として,患者本人の在宅死の希望,24時間緩和ケアチームにアクセスできること,死に対する心の準備などが指摘されている1)。
一方,国内の研究では,疾患や障害をもったひとり暮らしの患者であっても,本人が望めば,医療と福祉の連携で在宅療養ができるとの調査報告2)やひとり暮らしのがん患者の在宅死を支援した事例報告3)しか見いだせなかった。
そこで,訪問看護ステーションを利用して在宅死を迎えたひとり暮らしの末期がん患者のケア内容を振り返り,訪問看護師が果たすべき役割について考えてみたい。
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.