特集 在宅でがん患者を看取る—体調の変化の「ちょっと先」を予測し、備えよ
【病院—地域連携、何をしているか】
自宅から緩和ケア病棟に迎えるとき、病院ではどんな準備・ケアをするか
矢野 和美
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1国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科保健医療学専攻看護学分野がん看護学領域
pp.578-583
発行日 2019年8月15日
Published Date 2019/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201242
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在宅療養を続けてきた患者が最期を迎えるにあたり、緩和ケア病棟(PCU)に入院することは少なくない。患者・家族がPCU入院を選ぶに至る経緯・背景はさまざまであるが、受け入れる側の病院が必ず行なっていることがある。それは表のように列挙できる。これら10のステップを入院に至る前段階から確認し、地域を含む医療スタッフ全員で共有する。さらに、共有するだけでは患者・家族にケアが届かないため、(実践を)協働することが重要である。
「病院で受け入れる側は何に注目し、どのような準備をして、ケアをしているのか」。地域から病院へと送り出す側にいる医療職がその一端を知れば、ケアの内容もブラッシュアップされ、予後週単位の患者・家族が緊張した中でも少なからず安寧した時間を過ごすことにつながるのではないだろうか。本稿では、筆者の経験を踏まえ、自宅からPCUへ療養の場を移し、最期を迎えた1つの事例を示したい。
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