特集 高齢者虐待を考える
高齢者虐待防止へのアプローチ―必要な「社会的アセスメント」の視点について
古川 隆司
1
1追手門学院大学社会学部
pp.656-659
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100889
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在宅で要介護高齢者を介護する家族に対して,人権侵害である「虐待」が疑われる場合,その結果だけが注目され,社会的な相互作用として構成されてきた経過と,虐待防止に努める援助職,介護する家族,要介護高齢者である本人,それぞれがとらえる事実の多様な差異は,虐待防止目的のチェックシートに反映されないように思われる。
人権侵害かどうか,たとえば意思能力のある要介護高齢者がそのように認識していない場合1),家族関係の結果として介護殺人に至る場合2)も,関係者は特定の介護家族を加害者とし,そして結果を虐待だと査定する3-4)。
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