研究報告
介護福祉専門職の「医療行為」に関する研究と今後の専門職養成の考察―ドイツおよびデンマークの現状分析を中心に
高木 剛
1
1社会福祉法人渋谷区社会福祉事業団
pp.674-678
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100892
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はじめに
介護福祉専門職(介護福祉士,ホームヘルパーなど。以下,介護職)は褥瘡処置,痰の吸引などの「医療行為」を行なうことが医師法違反と知りながらも,「医療行為」を現場(施設や在宅)の要介護高齢者(以下,利用者)に対して行なわざるを得ない状況に立たされている。
このような日本の現状に対して,先駆的福祉国家であるドイツやデンマークでは,介護業務に加え,一部の医療行為を行なえる専門職が養成(ドイツではAltenpfleger,デンマークではSocial-og sundhedsassistent)されており,その業務,養成教育について調査,整理することは,今後の日本における専門職養成を考えるうえで参考になると思われる。本稿では,現場で介護職が日常業務の一部として行なっている,医療行為の実態を明らかにし,今後の日本における介護職養成の方向性について,ドイツおよびデンマークでの専門職養成をもとに考察した。
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