実践報告
「在宅か? ホスピスか?」迷う家族を支え,在宅で看取るために
青木 由香
1
1社会福祉法人秀峰会 訪問看護リハビリステーション翡翠の舞
pp.712-717
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101685
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はじめに
人口動態統計によると,1977年に病院死が在宅死を上回ってから約30年が経つ1)。いつの間にか病院で最期を迎えることが常識になっており,近年では在宅死が12.2%,病院死が79.7%と大きな開きがみられている1)。訪問時に「最後に病院に入れないなら,この国を恨むわ」と語る高齢者もいる。病院と同じ医療を受けながら在宅で最期を迎えられることが十分に周知されていないようだ。
一言でターミナル期といってもその過程はさまざまで,在宅での看取りには本人や家族の価値観,今まで大切にしてきたものが反映される。今回,在宅で看取る決定をしていなかったが,経過とともに在宅で看取る選択をされた事例を,ご家族の了解を得たうえで報告する。
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