特集 ステーションを活性化させる管理者とは
管理者育成,スタッフ教育のシステム
平塚 陽子
1
,
沼田 美幸
1
,
山藤 里美
1
,
小西 優子
1
1セコム医療システム株式会社
pp.548-552
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100700
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はじめに
訪問看護ステーションの管理者は,そのステーションを経営的に安定させるという側面があり,スタッフ管理だけではなく経営者の役割を有することが病棟看護師長との差異であろう。
弊社は,現在日本各地に30か所の訪問看護ステーションを有し,社内の方針や基準に基づき,ステーションの自立を目標として,看護職が管理業務を行なっている。
収入,収益についての知識や事務管理は,どの管理者にとっても初めての分野であり,研修や社内の多くの管理者とともに相談したり,学習し合える環境にあることは恵まれている。収益の向上や安定の基盤は良好なサービス提供であり,良好なサービス提供は,看護師1人ひとりが顧客重視の考えをもつことである。
看護という事業柄,「顧客重視」というと,滅私奉公のようなイメージになりがちである。地域の方々に公平で公正な事業を提供し,費用効果を考慮したケアを提供するための事業運営が重要である。収入,収益がよいのは,「悪」であるととらえがちだが,決して収入,収益は質の高いサービスと相反しないことを理解しなければならない。
また,質の高いサービスを提供するのは「人材」である。日々のスタッフ育成が管理職の業務として重要な位置付けを占める。
これらの重要な役割を担う管理職の育成は,事業を行なう上で,最重要課題である。そのため組織として計画的に行なっている。
画一的な研修プログラムだけでは,管理者が育成されるものではないと考えている。その組織の風土や文化に大きく影響される。風土を始めとして,組織の充実,評価制度,研修を管理者育成の要素と考えている。
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