特集 ひとが育つ組織をつくるコーチングとカウンセリング
看護場面でのコーチング―自立したスタッフ育成の実際
坂井 慶子
pp.184-188
発行日 2002年3月10日
Published Date 2002/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902350
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看護管理におけるコーチングの目的
コーチングというと,スポーツにおけるコーチと選手をイメージする人は少なくないだろう。最近では,ビジネスの場で,上司が部下の能力を引き出すための手法としてコーチングが取り上げられ活用されてきている。看護師の職場においても,上司が部下の育成をする役割を担うという点では何ら相違はない。取り上げるテーマは違っても,信頼関係に基づいたコミュニケーションの重要性は同じである。看護師―患者間でもコーチングスキルは活用できるが,今回は看護管理者とスタッフという関係に焦点を当てて言及する。
コーチングを看護管理で活用する大きな目的は,自立した看護師の育成であると考える。もちろん,コーチングだけで全てが解決されるわけではない。コーチングはあくまでも,1つのコミュニケーションの方法として,相手(スタッフ)の中に答えがあると信じ,効果的な質問をすることで,スタッフがもっている潜在能力や行動を引き出していく技術である。
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