連載 脳神経内科領域における医学教育の展望—Post/withコロナ時代を見据えて・14
脳神経内科における研究者育成教育
桑原 聡
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1千葉大学大学院医学研究院脳神経内科学
キーワード:
症例報告
,
臨床研究
,
論文
,
研究計画
Keyword:
症例報告
,
臨床研究
,
論文
,
研究計画
pp.1221-1223
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416202214
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はじめに
本連載では医学部生を対象とした脳神経内科学教育について,さまざまな角度からの試みや実践例について扱われているが,本論では主に初期・後期研修医(一部は医学部生)を対象とした若い世代に対して,どのように研究に対するmotivationを持つきっかけを与えて将来の研究者として育成しているかについて筆者の施設での試みについて述べる。
多くの医学部では基礎配属(臨床講座の研究室にも配属はされる),スカラーシップという研究入門のカリキュラムが組まれているが,授業の一環として定期的に講義や実験研究を行う時間が割り当てられることはなく,現在の医学部教育においてなぜ研究が必要かという動機づけが系統的に行われる機会は少ないと言える。ほとんどの医学生は臨床医を目指しており,研究の意義を十分に理解しないまま臨床実習をこなしている。スカラーシップのシステムで他動的に研究室に配属することで研究に対するmotivationを持てるのはごく一部の医学部生に限られる。
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