特別論文
医療の質向上のための条件―看護の質管理に向け新しい枠組みを
多田 春江
1
,
増田 聖子
2
,
稲葉 一人
3
,
福島 雅典
4
1京都大学大学院医学研究科薬剤疫学分野
2増田法律事務所
3京都大学大学院医学研究科医療倫理学分野
4京都大学大学院医学研究科薬剤疫学分野
pp.688-692
発行日 2001年9月10日
Published Date 2001/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902337
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はじめに
医療の質向上は,1992年の改正医療法の掲けた目標である。福島は最近の医療過誤に対するリスクマネジメントをより強力に進めるために,「医療の質管理法」を提案1)している(表1)。医療において,看護の質の確保の重要性が認識されながらも,これまで,それが医療の質向上のために,独立して取り上げられることはなかった。
しかし,看護婦/士による患者誤認,投薬ミス等,チェック機能が働かないための重大な医療過誤2)が多発していることを踏まえると,看護の質管理を無視して,医療の質保証はあり得ない。
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