焦点 社会資源としての患者会
乳癌体験者による支援活動の現状
今井 俊子
1,2
1東京女子医科大学看護学部
2新樹の会
pp.138-142
発行日 2001年2月10日
Published Date 2001/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902322
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はじめに
乳癌が女性のかかる癌の中で第1位になろうとしている今,その身体的負担を少なくするため,手術方法はより縮小化に向かっている。しかし,心理的サポートは依然として改善されていない。諸外国,特に欧米の乳癌体験者による患者支援活動は,医療の中において欠くことのできないものである。乳癌が発見されたとき,多くの人は動揺し,悩む。そのようなとき,同病者の支えは,ときに医療者による支援以上の効果をもたらす。
1984(昭和59)年,筆者が受けた乳癌手術は,大胸筋小胸筋をも切除する定型手術であった。それまで他人事であった乳癌手術の大変さを,身をもって体験した。この体験から患者支援の必要性を痛感し,乳癌担当医と看護婦の後ろ盾を得て,数名の手術体験者と,手探りながら病室訪問活動を開始した。1987(昭和62)年7月のことである。この患者支援活動をより組織的なものにするために,患者会・新樹の会を同年12月に発足させた。
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