特集 自閉症・アスペルガー症候群・LD・ADHD―母子保健事業の課題と期待
発達障害者の社会的支援活動の現状と課題―発達障害者支援センターの立場から
新澤 伸子
1
1大阪府発達障害者支援センターアクトおおさか
pp.289-291
発行日 2008年4月15日
Published Date 2008/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101297
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筆者自身の臨床活動は,児童相談所からスタートし,公立の就学前通園施設,民間の自閉症支援センターを経て,現職の発達障害者支援センターというように,公立機関,民間の任意団体,国事業の民間受託という,運営形態の異なる臨床の場で,合わせて約20年間,発達障害者の支援活動に携わってきた1).その中で,公的機関,民間機関の持つそれぞれのメリット,デメリットを感じてきた.これまでの障害者福祉の発展の歴史を見ても,まず,当事者としての障害者本人・家族のニーズが,現状を変えようとする強いエネルギーを生み出し,行政を動かし,支援施策や制度が整えられてきたと言える.そういう意味では,これまで行政的な支援制度の谷間にあった発達障害のある人たちへの支援が,関係団体の長年の代弁活動の末,平成16年12月の発達障害者支援法の成立に至り,都道府県,市町村の役割が法的に規定され,まさにこれからが実効性のある支援活動を具体的に事業化していく正念場であると感じている.
本稿では,事業者・支援者の立場として,相談支援活動を通して見えてきた当事者・家族のニーズと現状,今後の課題についてまとめてみたい.
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