調査研究
外部講師による研究指導の効果―その1:アンケート調査
小宅 比佐子
1
,
三木 喜美子
2
1国立医療・病院管理研究所研修部
2埼玉医科大学短期大学看護学科
pp.46-51
発行日 1996年1月10日
Published Date 1996/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901943
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はじめに
看護実践の場において,看護研究は,看護の質の向上および看護婦の自己成長を主たる目的として取り組まれてきている1).国立O病院においても,看護研究会が中心となり,年1回の研究発表会を運営してきた.看護研究会は,研究発表の運営や集録作成・講演会を主な役割とし,研究の指導面については,各看護単位に任されてきたために,研究に取り組む上で研究計画があいまいなまま取り組まれていることや,輪番制で義務的に行なわれているという問題点が見受けられた.上南や青木らも臨床看護研究の取り組みの問題点として同様のことを述べている2,3).
D. F. ポーリットらは,「看護のような実践的専門分野における研究は,学問的知識をもたらしうるだけでなく,その実践の改善に役立つ具体的情報をももたらしうるものである.(中略)小数の看護婦にとってだけでなく,すべての看護婦にとって重要な意味を持つ」4)と述べている.看護の実践の改善には,1人1人の看護婦が意識的に看護研究に取り組めるような研究的土壌や研究体制の改善が必要と考えられる.
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