発行日 1946年11月15日
Published Date 1946/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906137
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これまでの日本の教育は,智識の詰め込みに終始して,物を考へる力を與へない,人物をつくり上げることを怠つたと非難せられてゐます。從來の看護教育にも同じ缺點がありました。醫師の下働きをする,毎日の仕事に間に合ひさいすればよいのだから,その教育も低くてよろしい。主に手先の仕事を別に考へもせず,命ぜらるまゝに,從順にする樣に養成すればよいと考へられてゐました。看護婦を志して勉強する方でも,どうせ私たちは女だから,六ケしい理窟などわからなくともよい,早く手先の業をおぼへて,仕事を手際よくさばく樣に成りたいと云ふ態度でした。
ところが看護の仕事もだんだん範圍が廣くなるし,醫學も進歩して來る。保健指導に關係して,人を教へる役目も果さなければならぬ事情に近年なつて來ました。必ずしも醫師の下働きとは限らず,單獨に行動する機會も多くなりました。
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