特集 看護ケアの質改善と評価
看護ケア評価の経緯と今後の課題
島田 陽子
1
1日本看護協会中央ナースセンター
pp.4-9
発行日 1996年1月10日
Published Date 1996/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901937
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今なぜ「看護の評価」なのか
最近,看護のみならず「医療サービス全般において「質の保証」や「評価の必要性」が話題となっている.なぜ今「質の保証」「質の評価」なのか.看護ケアの評価の経緯について述べるに先立ち,まずその背景について考えてみたい.
「量から質へ」という傾向は,医療や看護に限ったことではない.高度成長期を経て,成熟期あるいは低成長期にある,ここ数年のわが国の社会全般の傾向である.このような社会的傾向に加えて,人口構造や疾病構造といった諸要素の変化により医療・看護サービスも質重視へ転換しつつある.さらに,医療サービス提供体制の体系化が進み,自らが受ける医療サービスを利用者が選択する時代になってきた.そして,医療に関する知識の普及により,利用者の医療の質に対する関心が高まったことも一因となっている.
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