Japanese
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特集 障害認定の課題と展望
歴史的経緯と現状の課題
The historical notes and current problem of disability certification.
伊藤 利之
1
Toshiyuki Ito
1
1横浜市総合リハビリテーションセンター
1Yokohama Rehabilitation Center
キーワード:
障害者総合支援法
,
社会モデル
,
障害認定基準
Keyword:
障害者総合支援法
,
社会モデル
,
障害認定基準
pp.105-108
発行日 2014年2月10日
Published Date 2014/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110393
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はじめに
わが国の社会保障制度の歴史は,戦後50年「救命・救貧」を掲げ,保護と弱者救済の枠組みで進められてきた.その後,東京オリンピックを契機とした高度経済成長やバブル景気を背景に,社会連帯による「自立支援」を枠組みとする制度へと大きく舵を切った.すなわち,施設中心のサービスから地域・在宅サービスへ,障害種別による画一的サービスからケアマネージメントによる個別サービスへ,サービスの選択と受益者負担の拡大によるサービス水準の向上,少子高齢化社会でも継続可能なシステムの構築という方向性である.これに伴って法制度の整備も進み,過去10年間をみても中央集権から地方分権への流れが加速,リハビリテーション関連法制度もまた,社会ニーズに対応した新法の施行とともに旧法の改正・統合が頻繁に行われてきた(表1)1).
このような情勢を反映し,障害認定に関わる制度も障害種別による福祉法から共通サービスを抽出した障害者自立支援法を経て障害者総合支援法へと変遷してきた.これに伴って障害認定基準についても,医療技術の進歩とあいまって,保護から自立支援を重視する方向性が示唆されている.本稿では,それらの歴史的経緯と現状の課題を概観する.
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