特集 看護ケアの質改善と評価
看護ケアの質向上・改善の取り組み―聖隷浜松病院の場合
高嶋 妙子
1
1聖隷浜松病院
pp.10-15
発行日 1996年1月10日
Published Date 1996/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901938
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はじめに
病院医療の質に関する研究会(質研)のサーベイを受けるまで
私は16年間看護管理に携わってきた.その16年間を,さまざまな思いを込めて振り返る昨今である.目ざしてきたことをことばに表わせば,「教育活動を通し個々の看護職員は自分の"したいこと"を明らかにすること,そしてその実現のために管理を機能させた」ことである.
この16年間,各スタッフも管理する側も,必死で目前のことに取り組んできた.だからこそ,自分たちの努力の結果を堂々と味わいたいという欲求をもっていた.それは,生真面目さにありがちな迷いや不安を誰かに拭ってもらいたいという類のものではなかったから,評価は原則的には自己評価でもよかった.そこで自分たちの行なってきたことを振り返るという形での評価をすることにした.初めから予測したことではなかったが,振り返ると自然に次に何を目ざしたらよいかが見えた.この仕方は非常にシンプルにPLAN→DO→SEEのサイクルを回していることになるとわかった時から,私自身としては改まった形での評価への欲求が薄れた.しかし私の落ち着きと反対に,スタッフたちの客観的評価を求める気持ちは高まっていった.私の承認だけではものたりなくなったのであろう.ここから部内に「看護サービスの質の評価を考える委員会」が生まれたとも言える.
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