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【巻頭言】
世界災害看護学会設立経緯と課題
Development of World Society of Disaster Nursing (WSDN) and Future Tasks
山本 あい子
1
Aiko Yamamoto
1
1世界災害看護学会理事長 兵庫県立大学地域ケア開発研究所
pp.1-2
発行日 2010年5月31日
Published Date 2010/5/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7008200168
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世界災害看護学会は(World Society of Disaster Nursing:WSDN)、災害看護の国際学会です。平成20年1月22日に、7カ国、40団体を発起団体として神戸の地で設立されました。世界災害看護学会設立ならびにその後の運営にあたっては、日本災害看護学会が世話役として中心的な役割を担っています。学会理事であった私は、国際交流委員会担当となり、平成17年度から国際的な災害看護学会の立ち上げに向けた活動を開始しました。他学会の情報(規約、会則、組織構造、運営、理事会の有無、年会費の有無、年次大会の開催方法、国際関連の会則の有無等)を収集し、体制、組織などを含めて検討し、現在のような規約や組織構造(団体会員から構成)等の原案作成に関わらせていただきました。そのようなことから、日本災害看護学会は世界災害看護学会初代理事長に私を推してくださったのだと思います。
世界災害看護学会の設立には、日本の看護界の経験が基盤となっています。1995年1月の阪神淡路大震災、ならびに同年3月の地下鉄サリン事件をきっかけに、「災害」を学会として見直すことが認識されました。同年9月の日本看護科学学会第2回国際学術集会(南裕子学会長)において、災害看護が取り上げられました。その後、日本看護科学学会に災害特別研究委員会が設置され、災害看護に関する知識体系の確立や災害看護教育プログラムの構築、災害看護の国際研究などの課題が提案されました。さらに災害看護を追求するためには独立した学会の必要性が認識され、1998年12月に日本災害看護学会が設立されるに至っています。
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