教育から臨床の分野へ―そこで見えてくること

　臨床教育において教師は二重の責務を負わされている．それは①教育の分野における能力，②教えているその臨床の分野における能力，この2つである，と，E・ウィーデンバックは述べている．

　5年間の教育の分野にひとまず区切りをつけ，6年ぶりの臨床の分野にいる．時間の流れの早さに戸惑いつつ1カ月が過ぎた．"ふちょうさん"と呼ばれるたびにあの，はじめて"せんせい"と呼ばれた時のような居心地の悪さに身をすくめながら，でも心の中ではやっぱり臨床の居心地がいいナァとにんまりしている．