連載 老年医のカルテ・第1回【新連載】
老年医のカルテ開示:そこからみえてくるもの
玉井 杏奈
1,2
1台東区立台東病院 総合診療科
2東京大学医学部在宅医療学拠点
pp.1101-1105
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900322
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筆者は2011〜2013年に,ハワイ大学老年医学フェローシップを修了し,米国老年医学専門医を取得した。2013年に帰国,その後は,東京浅草にある台東区立台東病院という老人健康保健施設併設のケアミックス病院に勤務している。ハワイ大学で経験した老年医学フェローシップは,自らの高齢者の診方を180度とは言わないまでも,120度くらいは変えてしまうものであった。日本ではまだまだ老年医学を体系的に学ぶ機会は少ない。しかし,世界有数の長寿国でもあり,小児科や産科などの一部の例外を除き,高齢者を診ていない医師など皆無である。平成26年度の内閣府の高齢社会白書では,65歳以上の高齢者の全人口に対する割合を表す高齢化率は25.1%となっており,2060年には39.9%になると予測されている1)。この急速な高齢化の波に対応するためには,すべての医師にある程度の老年医学の知識は必須になってくる,と考える。
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