外来に変化を・2
アサーティブが看護を変える―自分を活きづかせることから
小池 秀子
1
1筑波大学付属病院看護部
pp.186-192
発行日 1991年5月15日
Published Date 1991/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901822
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"こなす"ことから"かかわる"ことへ
外来の診療機能は医師を中心に発達してきた.そして看護婦は診療介助や補助業務を主とし,医師が診察しやすいように,物や患者を動かしてきた.医師たちの性格や診療内容の特徴をつかみさえすれば,日々の業務がこなせた.また患者を数や集団としえとらえ,看護の対象としてかかわることが少なかった.私たち看護婦は責任を負うことを好まず,業務をとどこおらせたり増やしたりするのを恐れ,何より安全と安定を望んできたのかもしれない.患者もまた外来の看護婦が自分を援助してくれる存在であるという期待はもちにくかっただろうと思われる.また,病院の管理者たちは看護婦を医療チームの一員として尊重するより,管理され,コントロールされるべき労働力として見る傾向にあった1).このことからも看護婦は自分の仕事に自分で統制力をもってこなかったように思われる.
しかし外来の看護のニーズは高い.私たち看護婦は自分の職務の焦点は患者であり,目標を自分で定め,自律的に働き,かつ創造的でありたいと考える.今まで他人の目標達成のために費やしてきた時間と労力を自分たち自身の目標達成のために使いたいと思う.そのためには,自分自身の考え,行動を変えていかなければならない.私たちは自分の感情を信じ,自分の意見に自信をもち,そのような自分自身を好きになることを学び主張的(アサーティブ)に他の人とかかわっていかなければならないのではないだろうか.
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