発行日 1953年1月15日
Published Date 1953/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907222
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音樂雜感
年月の經つのは早いもので,看護學雑誌の誌上で皆様と御一緒になつて足掛3年になりますが,今月は趣をかえて日本に来られた外人演奏家の演奏を中心に,音樂愛好者の立場としていろいろお話して見たいと思います。
戰前相當の所まで進歩した日本の音樂界も戰爭により軍歌調一本で退歩こそすれ,戰前の状態を維持することすら出来なかつたが,終戰直後は兎に角として3,4年の後には音樂の各部門に於て,急速に活溌な活動を初めた。尤も戰爭ぶ終ると文化運動が盛になるのは,世界共通の事で音樂にも同様であると同時に,日本の状態も一昨年ラザール・レヴィー教授の来日以来,外人の世界的名演奏家の訪田演奏により,日本の演奏家,作曲家及び鑑賞の立場にある音樂愛好家に與えた影響は驚くべきものがあつた。
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