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マネジメントに生かす海外文献
高度先進技術の中の看護の本質
The Essence of Nursing in High Technology
松谷 千枝
1
,
草刈 淳子
2,3
Virginia Henderson
1東京大学医学部附属病院胸部外科
2千葉大学看護学部
3看護実践研究指導センター看護管理研究部
pp.177-183
発行日 1991年5月15日
Published Date 1991/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901819
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看護においてハイテクノロジーは何を意味するか
一部の人々は,病院でのケアが,ハイテクノロジー(高度先進技術)の複雑な機械装置(特にコンピュータの電子通信)に左右されていると考えている.近代的な病院の基本的な経費すなわち,建設費・設備費・職員の雇用経費がアメリカの病院におけるケアの日々の通常経費を増加させてきた.病院が財産を運営していくには,ほとんどの患者が重症であるか,診断・治療が病院の技術的な資源を必要としていなければならないほどで,金持ちだけが病院にかかっているのである1).
救急治療室は徐々に,ほとんどの医療施設に設置されるようになってきた.まるでしっぽが犬を振っている(下剋上の状態を思わせる)ような印象をうける.集中治療室(ICU)を担当する看護婦は看護におけるハイテクノロジーを象徴している.おそらくそれは,ICUに配属されたことのない看護婦からは,別種のものと考えられている.救急治療看護について知られていることの多くは,面会の間に患者の友人か親族が見聞きしたことに限られている.これは1時間のうち,友人・親族と一緒にすごす5分間と,面会者控室でほかの憂いに満ちた人々とすごす55分間を意味する.看護婦から歓迎されていると感じられなかったこと,あるいは看護者がやさしさをもって患者や面会人に対しているとは思えなかったことなどは,救急治療看護についての偏見を強めるだろう.
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