特集 看護管理のナレッジマネジメント―現場に活かす知とワザ
医療のナレッジマネジメントの集大成―済生会熊本病院の新クリニカルパスはどのようにしてできたのか
本田 五郎
1
,
副島 秀久
2
1済生会熊本病院外科センター
2済生会熊本病院腎泌尿器センター
pp.513-517
発行日 2002年7月10日
Published Date 2002/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901661
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はじめに
当院では,1996年にクリニカルパスを導入して以来,それぞれの部署において独自に改良が進められてきた。導入当初は,いわゆるオーバービュー式パスのみの使用であったが,4年ほどの間に,連動した日めくり式パスを併用する形へと進化した。この間,アウトカム志向やEvidence-based Medicine(EBM)といった標準化のためのさまざまな理論がもち込まれ,質的にも機能的にも多種多様に高度化した。その一方で,部署間の格差も目立つようになり,昨今の多発する医療訴訟や医療の質管理・IT化の問題などと相まって,2001年にクリニカルパスの院内統一フォーマットを作成するに至った1)。
本フォーマットは,主にオーバービュー式パスと日めくり式パスから構成され,チーム医療を積極的に支援するためのいくつかの機能をもつ。クリニカルパスがチーム医療にもたらす効果として,リスクマネジメントや効率化,スタッフ教育などが挙げられるが,本稿ではナレッジマネジメントに関連した「情報の共有化」に焦点を絞って述べていくことにする。
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