焦点 アクション・リサーチ法を用いた事故防止システム開発の試み・2
看護職全員の参画によるシステムづくりの実際
和賀 徳子
1
,
安川 仁子
2
1厚生労働省看護研修研究センター教務科
2宮城大学看護学部
pp.449-454
発行日 2002年6月10日
Published Date 2002/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901650
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はじめに
看護・医療事故の防止は,どのようなシステムがどのように機能しているかにかかっていると言っても過言ではない。筆者らは,事故防止のためのシステムを「上からの管理」に依存することなく,看護職全員の参画と自らの意識の変革によって「下から主体的につくり上げる」という試みをアクション・リサーチ法による研究として2年間にわたって実施してきた。その結果,このようなボトムアップ式のシステムをつくるには,看護職1人ひとりの事故に対する認識と行動が変容する過程と,具体的なシステムづくりに関わる過程の両面からアプローチする必要があることを明確にすることができた。
前稿[本誌12(5),pp.375-381]では,アクション・リサーチ法を用いた本研究の概要および看護職1人ひとりの事故に対する認識と行動が変容する過程を「看護・医療事故防止に取り組むための基盤づくり」として報告した。本稿では,システム開発の具体的過程について述べる。
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