焦点 アクション・リサーチ法を用いた事故防止システム開発の試み・1
看護・医療事故防止に取り組むための基盤づくり
安川 仁子
1
,
和賀 徳子
2
1宮城大学看護学部
2厚生労働省看護研修研究センター教務科
pp.375-381
発行日 2002年5月10日
Published Date 2002/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901634
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はじめに
現在,多くの病院ではリスクマネジメントのために事故防止委員会を設置し,リスクマネジャーを置くなど,組織としての事故防止対策の形は整えられてきている。しかし,それが有効に機能しているとは言い難いのが現状である。事故は組織としての形をいくら整えても減少はしない。
看護・医療事故を防止するためのシステムは,日々臨床現場の中で発生している事故を「どうしたら防ぐことができるのか」という切実で現実的な問題に応えつつ,組織の「上からの管理」に依存することなく,看護職全員の参画と,自らの意識の変革によって「下から主体的」につくり上げ,事故の発生を一定の範囲内にコントロールできるように機能させることが重要である。
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