提言
安易な飛びつきはやめよう―看護提供方式の選択
永見 瑠美子
1
1益田赤十字病院看護部
pp.98-104
発行日 1993年3月15日
Published Date 1993/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900159
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はじめに
看護をとりまく諸情勢の変化により,看護の多様化と拡大にどう対応するかが顕在化してきた.急速な人口の老齢化が進む一方で,労働人口の減少は避けられない事実であり,看護の現場は危機に直面している.もはや,姑息的に各施設にその対応を任される状況ではなくなり,厚生省では,看護業務の明確化を基盤に,看護業務の見直しを行なっている.
このような情勢の変化を反映して,いまほど「看護方式について」取り沙汰されている時代もないように思われる.看護方式は,どんな方式であれ,看護管理者のマネージメント能力を抜きにしては語れない.しかし,諸種の看護関係の出版物に紹介される看護提供方式の大半は,例えばプライマリ・ナーシングの方式を採用すれば,施設のもつ条件はともかく,国民の期待に応えられる看護が提供できる最もよい看護方式と錯覚する感さえある.
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